みやざわ皮膚科

横須賀市大津町の皮膚科、みやざわ皮膚科

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脱毛症、薄毛

毛髪は毛周期(成長期、退行期、休止期の3段階)により、生えて伸びては脱落することを繰り返しています。
何らかの原因で、毛周期に問題が生じたり、毛髪を作り出す毛包の構造が破壊されたりすると、脱毛や薄毛になります。
頻度が高いのは、円形脱毛症、壮年性脱毛(男性型脱毛AGA、女性型脱毛)です。
他には脂漏性皮膚炎などの湿疹がベースにある場合や、栄養不良、抗がん剤などの薬剤性、自己免疫疾患、甲状腺などの内分泌異常に関連する脱毛もあります。

 

脱毛、薄毛に気づくと、髪が抜けるのを恐れて、つい洗髪をためらう方が多いです。
しかし、洗髪で抜けるのは退行期から休止期のもうすでに抜け落ちる運命が定まっている毛です。抜け落ちないと成長期の新しい毛髪は生えません。
したがって、生活上の注意としては1-2日に1回指の腹でマッサージしつつ洗髪し、ぬけるべき毛髪を除去し、毛包への血流を増やし、毛穴を清潔にし、頭皮に新しい毛が生えやすい状態を作ることが大切です。

 

1.円形脱毛症

症状

名前の通り、ある部分の頭髪が急に抜け始めて、丸い脱毛斑になります。通常かゆみや痛みはありません。
1箇所だけ抜ける場合と、いくつかできる場合、たくさんできて頭髪全体がなくなってしまう場合があります。時にはまゆげや体毛部にも脱毛が及びます。
数が少ない場合は、1年以内に自然に治ることも多いですが、多発している場合、頭髪全体に及ぶ場合は治りにくい傾向があります。

 

原因

本来体に進入した細菌やウィルスを退治する役割を持つリンパ球が、自分の毛包を攻撃するために、脱毛が起こる状態で、自己免疫疾患の一種と考えられています。
遺伝的素因、アトピー性皮膚炎、膠原病などの自己免疫疾患、ストレスが関係するといわれていますが、まだ不明な点が多いです。

 

治療

症状や経過により以下の治療を組み合わせておこないます。

 

1.外用療法

1ステロイド外用剤: 毛根を攻撃するリンパ球を抑えます。

2塩化カルプロニウム(フロジン液): 毛根への血流をよくして、発毛を促します。

 

2.内服療法

1グリチルリチン製剤、セファランチン: 軽症例に外用と併用することがあります。

2抗ヒスタミン剤: アトピー素因のある場合に使用します。

3ステロイド内服薬: 急速に進行する重症例に使用することがあります。

 

3.ステロイドパルス療法

急速に進行する重症例で、入院の上、3日間点滴でステロイド大量投与をします。

4.液体窒素療法

液体窒素のスプレーで毛包を刺激し、血流を増やし発毛させます。

5.ステロイド局注療法

ステロイドの注射液を、脱毛部の皮内に注射します。効果が高いですが、痛いという欠点があります。

6.局所免疫療法

自然界に存在しないSADBEやDPCPを皮膚に外用して、感作させてから、2-4週に1回脱毛部に外用し、軽いかぶれを起こさせます。かぶれにより脱毛部の免疫状態が変化して毛包へのリンパ球の攻撃が減少し、発毛が促がされます。難治性の場合に行う効果的な治療ですが、かぶれかたがひどい、アトピー性皮膚炎の悪化、色素沈着・色素脱失を生じる可能性があります(自費診療。適応がある方には施行している医療機関を紹介いたします)。

7.光線療法

PUVA、308エキシマシステムを照射することで、毛包周囲の免疫を調整して発毛を促します。

 

2.壮年性脱毛症:男性型脱毛(androgenic alopecia: AGA)、女性型脱毛

症状
1.男性の場合

ある年齢から前頭部や頭頂部から始まる頭髪の軟毛化、減少、脱毛が起こり、徐々に進行します。
後頭部、側頭部の毛髪には変化が見られないのが特徴です。
男性の約半数に生じるといわれています。

1.女性の場合

男性と同じような分布を示す場合もありますが、一般的に前頭部から頭頂部にかけて広く毛髪が細く疎になります。
“髪の分け目の地肌が目立つ”、“髪を結んだときの毛全体のかさが減っている”と受診されることが多いです。
内分泌異常などの全身疾患による休止期脱毛との見分けがつきにくい場合は、採血などによる鑑別が必要です。

 

原因

男性型脱毛では、遺伝的基盤により、ある時期から前頭部、頭頂部の毛包で男性ホルモンに対する感受性が高まり、毛を作る毛母細胞の増殖が抑制されます。すると毛周期の成長期が短くなり、休止期にとどまる毛包が多くなり、軟毛化して最終的には脱毛をきたします。
女性の場合は、①男性型脱毛、②頭部全体の休止期が長くなる慢性休止期脱毛、③加齢変化による休止期毛の増加、といった病態が混在し、総じて女性型脱毛と呼ぶことが多いです。

 

治療
1.男性の場合

抗アンドロゲン製剤であるフィナステリド(プロペシア)の内服で80%以上の方の脱毛の進行を抑制することができます(自費診療)。
5%ミノキシジル(リアップX5)外用の併用も効果的といわれています。

 

2.女性の場合

フィナステリド(プロペシア)は催奇形性があり、また更年期以降の女性に使用しても効果がありません。
今のところ最も発毛効果のエビデンスがあるのは、ミノキシジル(リアップ)の外用です。男性用の5%製剤のほうが発毛はしやすいですが、体毛が濃くなる副作用があるため、日本では1%製剤であるリアップリジェンヌを使用します。
女性ホルモンが頭髪の発毛を促す作用を利用した育毛剤(コラージュフルフル育毛ローション)も効果的です。
なお、長年の白髪染めによる毛根の障害の影響も大きく、ヘアマニキュアなどの毛根をいためない方法への変更で薄毛が改善する方もいます。